保釈とは?保釈の定義・意味
保釈とは、刑事事件で起訴された人が判決までの間、逃亡しないことの担保としてお金を納めることなどを条件として、身柄の拘束を解く制度です。
保釈の刑事訴訟法上の条文
刑事訴訟法は、保釈に関して、誰が請求できるか、どのような場合に保釈されるか、保釈が効力を失うのはどういう場合か、といった点について条文を設けています。
保釈は憲法上の権利?
保釈を受ける権利は、憲法上の権利として明記されていません。また、憲法上の権利であると解釈することも難しいと思われます。保釈を受ける権利は、あくまで、刑事訴訟法上の権利といえるでしょう。
保釈と釈放、仮釈放
釈放は一般に、身柄を拘束された状態から解放されることをいいます。保釈は、起訴後、判決までの間、勾留による身柄拘束から解放されるもので、釈放の一種です。仮釈放は、受刑者が一定期間の刑期を過ぎた後で仮に釈放してもらうもので、保釈とは無関係です。
保釈制度は不公平?
保釈金を納付しないと、保釈は受けられません。しかし、保釈金は必ずしも相場どおりの金額が要求されるとは限らず、相場よりも低い額にしてもらえることもあります。
逮捕は会社に連絡される?
刑事事件で逮捕された場合、基本的には、職務に関連して犯行をした場合等でない限り、警察が会社に連絡・通知することはありません。会社対応についてはご自分で判断するのは難しいため、会社に連絡する前に弁護士に相談した方がよいでしょう。
保釈の確率
令和2年度の統計では、勾留された被告人のうち保釈が許可された被告人の割合は、約30 %となっています。決して高くない許可率ですが、証拠を積み上げていくことで保釈を実現することができます。
保釈の許可率(事件別)
最新の統計(『司法統計』令和2年度版)では、勾留された被告人のうち保釈が許可された被告人の割合は、約30%となっています。このページでは、保釈率の割合を事件の内容に分けて解説していきます。
万引き・クレプトマニアの保釈
一般にクレプトマニアとは、窃盗で利益を得ようという目的からではなく、盗む前の緊張感・盗んだ後の解放感を得たいという衝動から、窃盗を繰り返してしまう症状をいいます。クレプトマニアの方は、保釈が認められにくい傾向があります。
保釈の必要性
保釈の必要性とは、被告人の身柄が拘束されたままでは不都合があり、拘束を解いてもらう必要性があることです。具体的事情としては、被告人の家庭の経済状態や、家族や被告人自身の健康状態を挙げるのが通例です。
保釈と勾留取消し
勾留の取消しとは、勾留の効力を将来に向かって消滅させることで、身柄拘束を解くものです。保釈と異なり、勾留の取消しは、身柄拘束状態を確定的に消滅させるものです。保釈の取消しのような、その後に身柄拘束を復活させる制度はありません。また、保釈金のような担保を納める必要もなく、保釈条件のような条件をつけられることもありません。
保釈と追起訴
追起訴が予定されている場合には、保釈をしても再逮捕されて再び留置場に戻されてしまう可能性があるため、追起訴が全部終わるまで保釈の請求が難しくなります。弁護士は、適正な保釈保証金額になるよう交渉する弁護活動を行います。