刑事事件に強い弁護士

保釈の基礎知識 [保釈金の集め方]

「保釈してもらいたいけどどうやって保釈金を集めたらいいのか。」
「娘を保釈して欲しいが、お金はどうしたらいいのか。」

刑事事件で起訴され勾留が続いている時、保釈金をどう集めたらいいのかお悩みの方へ。
このページでは、保釈金とはどのようなものなのか、どのように集めたらいいのかについて解説していきます。

刑事事件に強い弁護士に相談して、早期の保釈を実現し、事件をスムーズに解決しましょう。

保釈金とは

保釈金とは、保釈によって身柄拘束を解いてもらうために納付する、お金のことです。法律上の正式名称を保釈保証金(ほしゃくほしょうきん)といいます。保釈保証金の納付がないとたとえ保釈請求に対して裁判所が保釈を許可する決定を出していたとしても、保釈は執行されません。保釈が執行されないということは、被告人の身柄は解放されないということになります。

保釈は、勾留されている被告人が、保釈金の納付により身柄の拘束を解いてもらう制度です。被告人が保釈条件を守らないと、裁判所は保釈金を没取することができます。保釈保証金の額は、事案の内容や被告人の経済状態など、さまざまな事情を考慮して決められます。その人の経済状態や扶養家族の有無など、「いくらのお金なら没取されると困るか」という基準がそれぞれ異なるため、同じ罪を犯しても、被告人が違えば保釈保証金の金額は変わってきます。そのお金がなくなるのはとても困る、という金額でないと、保釈保証金の没取という制裁を気にせずに裁判所との約束違反をしてしまう可能性があるからです。

保釈金の納付のしかた

保釈許可決定が出た後、実際に被告人の身柄の拘束を解くためには、保釈保証金を納付しなくてはなりません。保釈保証金は、弁護人が選任されていれば、弁護人が裁判所に納付しにいきます。原則として、現金で1回払いで支払わなくてはならないので、弁護人は保釈を許可する決定が出る前日までに、あらかじめ被告人の家族などから預かった保釈金を確実に現金化して準備しておきます。保釈保証金が納付されると、裁判所の担当者が保釈保証金の納付について検察官に通知し、検察官の釈放指揮によって、被告人は身柄が解放されるのです。

保釈金の集め方

これまで述べてきたように、保釈金は被告人にとってある程度負担になる額を定められますから、被告人が楽に支払える金額という場合はあまりありません。そこで、一般的に保釈を請求する被告人はどのように保釈金を集めるのか、まとめてみました。もちろん、お金の集め方は人それぞれですから、ここでは参考としてお読みください。

① 自分で集める

保釈金は、被告人本人がそのお金を用立てるのが一番です。自分のお金がなくなって一番困るのは自分ですから、保釈条件を破ることなくすごす可能性が高くなります。被告人は身柄が拘束されていますから、現実的には現金を銀行口座からおろしたりすることはできません。しかし、自分が起訴されることがあらかじめ自分で予測できるような場合は、身柄が拘束される前に、だいたいの保釈金を用意し、弁護士や家族に預けておくこともできるでしょう。そうすれば、起訴されて保釈を請求できるようになった場合、少しでも早く保釈してもらうことができます。

② 家族で集める

被告人本人が①のような準備をすることが難しい場合、またお金がないような場合は、被告人にとって一番身近な家族(たとえば配偶者、親、子供、きょうだい)に用立ててもらうことが考えられます。身近な家族は、被告人の保釈が認められたあと被告人の身元を引き受ける人である場合も多いでしょう。保釈金を用立てた身近な家族が被告人のそばで見守ることは、被告人の逃亡などを予防するためにも役に立ちます。

③ 親戚・知人

身近な家族も用意できないという場合は、被告人の親戚や知人に頼んで用意をすることも考えられます。

④ 保釈金保証業者を利用する

保釈金がどうしても支払えない場合、保釈金を立替払いしてくれる業者がありますので、そこを利用することも考えられます。代表的なものには、一般社団法人保釈支援協会があります。もっとも、「立替払い」をしてもらえるだけで必ず後に立替に対する手数料をつけて全額を返さなくてはなりませんし、また立替払いが認められるかどうかには業者独自の審査等がありますから、業者に問い合わせることが必要です。


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