「保釈が失効するのはどのような場合なのか。」
「保釈金が戻ってこなくなる理由は?」
保釈金が没収されてしまわないか不安という方へ。
このページでは、保釈失効に繋がり得ることや、保釈金の没取が起きる場合について解説しています。
刑事事件に強い弁護士に相談して、保釈失効を防ぎ、事件を早期解決しましょう。
没取とは
保釈金の没収(没取)とは、保釈が取消される場合に、納付していた保釈金を返還しないこととする処分をいいます。
もともと保釈金は、あなたが保釈中も逃亡しないことの担保として国(裁判所)に納付するものです。そのため、判決の後は、保釈金を納付させておく必要がなくなるので、返還されます。ところが、保釈金が没取されると、判決の後も、保釈金は返還されず、そのまま国に帰属させられることとなります。この点で、保釈金の没取は、保釈が取消されるような行為をしたことに対する制裁の意味があります。そして、保釈金が逃亡しないことの担保となりうるのは、仮に逃亡した場合には保釈金が没取されるからなのです。その意味で没取は、保釈金をして、保釈中も逃亡しないことの担保たらしめているといえます。
法律的には「没取(ぼっしゅ)」が正しい表現です。「没収」は、判決で刑を言い渡す場合に、それにつけ加えて、犯行に用いた道具や犯行の対価として得た物などを国庫に帰属させる処分として言い渡すものです。これに対して、保釈金の没取は刑を言い渡す場合につけ加える処分ではないので、厳密には「没収」には当たらないのです。そのため、法律実務家の間では、保釈金の没取を没収と混同しないよう、「ぼっとり」と読むことがしばしばあります。ただし、一般には、保釈金の没取を「没収」と呼んでも通用するでしょう。
保釈金を没取するかどうかは裁判官の裁量
保釈が取消される場合に没取されるかどうかは、裁判官の裁量によって決められます。また、没取される場合に、保釈金の全部が没取されるか一部のみが没取されるかも、裁判官の裁量によって決められます。
保釈金が没取された場合、これに対して不服を申し立てることができます(没取の決定をしたのが裁判官なら準抗告、裁判所なら抗告となります)。また、第三者が保釈金を納付していた場合、または保証書を差し出していた場合には、その第三者も不服を申し立てることができます。