保釈金とは

被告人が保釈される際に、判決までの間逃亡や証拠隠滅をしないことの担保として収めるお金が、保釈金です。厳密には保釈保証金といいますが、保釈金という表現でも十分通用するので問題ありません。

保釈金の額は、１５０万円から２００万円になることが多いです。しかし、実刑になる見込みや被告人の資産などにも左右されるので、最終的にはケースバイケースです。

保釈支援協会とは、保釈金の準備ができない家族への保釈保証金立て替えを主な業務とする社団法人です。保釈金の支援に関しては、各都道府県の弁護士会の作る協同組合である全国弁護士協同組合も、２０１３年から「保釈保証書発行事業」を始めています。

保釈金でなく保釈保証書という書面を裁判所に提出することによって、保釈を受けられることがあります。全国弁護士協同組合は、裁判所が保証書を提出する方法による保釈を認めた場合に、保釈金額の一定額を全弁協に預け入れることにより、保証委託者に代わって保釈保証書を発行するという事業を行なっています。

保釈が取消される場合に、納付していた保釈金を返還しないこととされることがあります。これが保釈金の没収（法的には没取〔ぼっしゅ〕）です。保釈金が没取されるかどうか、没取されるとして保釈金の全部か一部かは、裁判官の裁量で決められます。没取の決定に対して不服を申し立てることもできます。

実刑判決後に再度保釈を請求し、これが認められた場合に、前に納付されていた保釈金について、新たな保釈金の全部または一部として納付されたものと扱ってもらうことができます。これを保釈金の流用といいます。