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保釈の基礎知識保釈請求

保釈の請求権者
保釈を請求できる人は、法律で定められている人に限ります。請求できる人のことを請求権者(せいきゅうけんじゃ)といいます。「勾留されている被告人またはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹」(刑訴法88条1項)がすることができます。

できる人 ① 勾留された方、その弁護人 → 本人またはその弁護人
② 勾留された方の法定代理人、 保佐人→ 親権の有無を問わず、父親または母親、保佐人
③ 勾留された方の配偶者   → 民法上の婚姻関係にある夫または妻
④ 勾留された方の直系の親族もしくは兄弟姉妹  → 直系の姻族も可。兄、弟、姉、妹 のいずれかに該当する方。
できない人選任されていない弁護人
内縁関係にある夫または妻
婚約者、恋人、友人、同僚

保釈請求ができる人は、独立して被告人の保釈請求権を代理行使することができると考えられています。これは被告人が持っている保釈を請求する権利を、請求権者が自分の意思によって、被告人の意思に拘束されずに代理で行使することができるということです。つまり、被告人がたとえ「自分は裁判までずっと勾留されていたいから、保釈の請求はしないでくれ」と言っていたとしても、その両親や兄弟、弁護人などが自分の判断で保釈の請求をしてかまわないということになります。

保釈請求の時期
保釈は、起訴後勾留を受けている被告人についてすることができます。ただし、勾留中の被告人であっても鑑定留置中であれば保釈の請求をすることはできません(刑訴法167条5項)。

被告人の弁護人が私選弁護人による場合は、起訴前から受任することができますので、公判請求が予想される事案の場合は、弁護人は被告人が起訴された直後に保釈請求書を提出できるよう、起訴前からその準備をします。そして実際に起訴されたらその直後に、用意しておいた書類を裁判所の令状部に持っていきます。このように私選弁護人は被疑者段階から弁護活動ができるので、保釈の請求についても一番早い段階で請求することが可能なのです。早ければ、起訴された直後に保釈によって身柄が解放されることになります。

一方で、被告人の弁護人が国選弁護人の場合、法律で定められた被疑者国選の場合で且つ弁護人が引き続き受任しない限り、起訴後の受任となるため、保釈を請求できる時期がどうしても遅くなってしまいます。結果として、公判の直前でやっと保釈となる場合が多く、公判に向けての綿密な打ち合わせなどの十分な準備ができなくなることが少なくありません。

なお、国選の弁護人は、一般の民事事件と並行して業務を行う弁護士である場合がほとんどで、必ずしも刑事事件や刑事手続きに明るい弁護士ばかりではないのが現状です。

保釈請求の方式
保釈の請求は書面または口頭によります(刑訴法規則296条)。実務では書面によっています。また、被告人が保釈された後の現住所の資料とするため、住民票の写しや戸籍謄本(抄本も可)等の添付をしなくてはなりません。また、実務においては、身元引受書や上申書を保釈請求書とともに添付することが行われています。身元引受書は、保釈された後の被告人の身元を引き受け、罪証隠滅をさせず、保釈に付される条件を守るように監視する旨などを内容とする書面です。上申書は、被告人の保釈の必要性を記した書面です。 

保釈請求から執行までの具体的な手続き

1、保釈請求書を提出する
保釈請求ができるのは起訴されてからなので、弁護人は公判請求された日以降に保釈請求書の提出をします。保釈の裁判を行うのは、第一回公判期日前の請求であれば公判担当以外の裁判官が行い、それ以降であれば事件が係属している裁判所が保釈の裁判を行います。これは、公判が始まる前に裁判官が保釈の裁判を通じて被告人に対し予断を持つことのないようにするためです。

2、検察官と交渉する
裁判所は、保釈の裁判をするために、検察官の意見を聴かなくてはなりません(刑訴法92条1項)。検察官は保釈をしてもいいと思うか否か、意見を書いた書面を裁判所に提出します。弁護人は、検察官が保釈をしてもいいという意見を裁判所に出してもらうよう、あらかじめ保釈請求を裁判所に対して提出する前に検察官と交渉します。弁護人は検察官に、被告人を保釈する必要があること、また被告人を保釈しても問題がないことを具体的な事情で説明します。

3、裁判官と面談する
弁護人と裁判官とで面談をします。これは義務ではありませんが、弁護人は保釈を認めてもらうために裁判官と面談をします。面談では弁護人が、被告人を保釈することの必要性、保釈しても問題ないという許容性を説明します。必要性としては、被告人の家族が被告人の収入をあてにしており、被告人が保釈されないことで家族が経済的に困窮する危険性が高いことや、被告人の健康状態が良好とはいえず、持病などで長期の勾留に耐えられる体力がないため、自宅で裁判に向けた準備をすることが好ましいことなどを述べます。一方で許容性としては、しっかりとした身元引受人がおり、被告人が証拠を隠滅しないこと、逃亡のおそれもないこと、住居制限などの条件を厳守することなどを説明します。

また、裁判官とは保釈保証金の金額や、保釈に付する条件なども話し合います。条件としては、保釈の間、被告人が届け出た住所以外に居住しないという限定や、旅行に行く場合は裁判所の許可を得るという条件、また、事件の証人である特定の人物に会ったり接触を図ったりしないという条件など、さまざまなものがあります。これらの条件を守らなければ、保釈が取り消されることもあります。

4、保釈決定
裁判所が提出された資料や検察官の意見、弁護人との面談を参考にして、保釈の可否について決定します。保釈請求があってからおよそ1日から3日で決定がなされます。

5、保釈保証金の納付
保釈が許される場合は、保釈保証金を納付する手続きに移ります。保釈保証金の額は、事案の内容や被告人の経済状態など、さまざまな事情を考慮して決められます。同じ罪を犯しても、被告人が違えば保釈保証金の金額は変わってきます。保釈保証金は、弁護人が選任されていれば、弁護人が裁判所に納付しにいきます。

6、被告人の釈放
保釈保証金が納付されると、納付から数時間で被告人は釈放されます。弁護人は被告人の身元引受人や家族等を伴って、被告人の留置場所に出迎えにいくこともあります。

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© 2009 - 2017 Takeshi Okano

アトム法律事務所弁護士法人代表 岡野武志(第二東京弁護士会)