刑事事件に強い弁護士

保釈の嘆願書と陳述書

「保釈請求書と一緒に何を提出したらいいか。」
「保釈の嘆願書とは?」

保釈請求書と一緒に提出する書類について知りたい方へ。
保釈の嘆願書、陳述書、上申書は、保釈請求書の添付資料として提出されるものです。内容としては、保釈の必要性や相当性に関する事情が述べられます。誰が出すか、またどのような内容にするかといった点に制限はありません。

刑事事件に強い弁護士に相談して、保釈してもらい、事件をスムーズに解決しましょう。

保釈の嘆願書とは

保釈請求書の添付資料として、嘆願書が提出されることがあります。
これを提出する人は、多くは被告人の家族や、被告人の職場の関係者などです
嘆願書の内容は、題名のとおり、「被告人を保釈してほしい」というものです。嘆願書において語られる事情は、多くは次に述べる陳述書・上申書と重なります。

陳述書とは

では次に、保釈請求書の添付資料として提出される陳述書・上申書とは何でしょうか(以下では、陳述書で統一して説明します)。

陳述書は、もともと被告人と同居していた身元引受人から出される場合、もともとは同居していなかった身元引受人から出される場合、さらに身元引受人以外の人から出される場合に主に分類できます

まず、もともと同居していた身元引受人から陳述書が出される場合を見てみましょう。この場合には、保釈の必要性と相当性とに関する事情が述べられます。保釈の必要性としては、家計を維持するために被告人が保釈を受けて働く必要があることや、家族の介護のために被告人が保釈を受ける必要があることなどが述べられます。保釈の相当性としては、身元引受人として被告人の生活を監督して逃亡や証拠隠滅がないようにし、公判期日に必ず出頭させることが述べられます。

次に、もともとは同居していなかった身元引受人から陳述書が出される場合について見てみましょう。これは、被告人が事件前は1人暮らしなどをしていたところ、保釈後に実家に戻る場合が典型例です。この場合には、陳述書においては、もっぱら保釈の相当性に関する事情が述べられます。

そして、身元引受人以外の人から陳述書が出される場合を見てみましょう。典型的なのは、職場の上司や同僚など会社関係者からのものです。この場合には、保釈の必要性に関する事情が述べられます。具体的には、被告人が職場で重要な地位や立場にあったこと、現在職場は被告人がいなくなったことでうまく回らなくなっていること、被告人以外の人物では代わりが利かないこと、公判期日に問題なく出頭できるようシフト上などで配慮すること、などが述べられます。

嘆願書、陳述書、上申書の違い

では、嘆願書、陳述書、上申書に違いはあるでしょうか。
基本的には、内容面ではあまり違いがありません。嘆願書、陳述書、上申書のいずれであっても、保釈の必要性や相当性に関する事情を述べることは同じだからです。
また、どのタイトルにするかによって、述べられる内容に違いや制限が生まれるということもありません。嘆願書や陳述書の書式が決まっているわけではないので、どのタイトルにしようと、内容に制限はありません。
ただ、主題に関してタイトルから受け取るイメージには、事実上違いが出るかもしれません。つまり、陳述書や上申書というタイトルだと、事実を述べるというイメージが強くなります。これに対して、嘆願書というタイトルだと、事実を述べるだけでなく、被告人のことを保釈してほしいという懇願にも重点があるというイメージが出てきます。
ただし、だからといって、裁判官が嘆願書と陳述書・上申書との間で、タイトルだけで扱いに違いを出すことはありません
したがって、どのタイトルにするかに頭を悩ませる必要は、あまりないといっていいでしょう。


全国/24時間/無料相談予約

今すぐ電話をかける