保釈が請求された場合、裁判官は検察官の意見を聴きます。この意見は、裁判官の判断に影響を与えているので、弁護人は検察官の意見を知りたいところです。そのために、弁護人は訴訟記録の閲覧・謄写などの方法によることができます。
検察官の意見書とは
保釈が請求された場合、裁判官は検察官の意見を聴かなければならないとされています。
検察官の意見の開陳は、書面や口頭、または電話のいずれによってもよいとされます。最も通常は、書面によっています。具体的には、裁判所からの求意見書に回答欄が設けてあるので、そこに意見を記載するのです。
検察官の意見には、「相当」「不相当」「しかるべく」などがあります。
検察官は、保釈が相当だと考えるときは、保釈金の額など保釈の条件についても意見を述べることがあります。これに対して、検察官が保釈を相当としないときは、その理由を具体的に明らかにするのが妥当だとされています。
現実問題として、検察官は不相当の意見を出す傾向があります。また、検察官の意見は、保釈を判断する裁判官に事実上影響を与えています。そこで、刑事事件に詳しい弁護士は、事前に検察官を説得して、「相当」や「しかるべく」の意見を出すようにさせるべく努めます。
意見書から読み取れる事情
上に述べたように、検察官の意見書には「相当」「不相当」「しかるべく」などの意見を記載するうえ、不相当と考えるときは、その理由を具体的に明らかにするのがだとされています。
そのため、不相当と述べる意見書からは、検察官が保釈すべきでないと考える事情が読み取れるのです。弁護人が裁判官と保釈面接をするにあたっては、この事情を予め把握しておき、それに対して有効な反論をするようにしたいところです。
保釈の意見書の謄写
では、保釈に関する検察官の意見書は、どのようにすれば弁護人が読むことができるでしょうか。
まず、保釈に関する検察官の意見は、訴訟記録になるので、弁護人は閲覧・謄写をすることができます。弁護人はこの閲覧・謄写によって、検察官の意見を読むことができます。
そのほかにも、裁判官面接の際に事実上見せてもらうというかたちで閲覧できることもあります。